「黒澤明の弁護士」乗杉純著

公開日: 更新日:

 黒澤明の「影武者」の配給権の交渉などを担当していた著者に、1989年、黒澤プロダクションから依頼がきた。東宝は1958年に「七人の侍」の再映画化権をアルシオナ・プロダクションズに譲渡していたが、黒澤明、橋本忍、小国英雄が再映画化権は脚本家にあると主張したのだ。

 東宝は与えられた物権的映画化権に基づいて何本でも映画を製作できると主張したが、脚本家たちは当時の慣行から東宝に許諾したのは1本の映画を製作する権利のみだと反論した。1978年、東京地裁は、東宝のアルシオナ・プロダクションズへの再映画化権の譲渡は無断譲渡だという判決を下した。

 弁護士が黒澤映画をめぐるエピソードを紹介する回想記。

(草思社 1870円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  2. 2

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  3. 3

    「地球を救う前に社員を救ってくれ!」日テレ「24時間テレビ」が大ピンチ…メインスポンサー日産が大赤字

  4. 4

    仰天! 参院選兵庫選挙区の国民民主党候補は、県知事選で「斎藤元彦陣営ボランティア」だった

  5. 5

    たつき諒氏“7月5日大災害説”を「滅亡したんだっけ」とイジる古市憲寿氏に辛辣な声が浴びせられる理由

  1. 6

    参政党・神谷代表は早くも“ヒトラー思想”丸出し 参院選第一声で「高齢女性は子どもが産めない」

  2. 7

    兵庫は参院選でまた大混乱! 泉房穂氏が強いられる“ステルス戦”の背景にN党・立花氏らによる執拗な嫌がらせ

  3. 8

    「国宝級イケメン」のレッテルを国宝級演技で払拭 吉沢亮はストイックな芝居バカ

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  5. 10

    近年の夏は地獄…ベテランプロキャディーが教える“酷暑ゴルフ”の完全対策