「死者宅の清掃」キム・ワン著 蓮池薫訳

公開日: 更新日:

「死者宅の清掃」キム・ワン著 蓮池薫訳

 不動産屋から、自殺した若い女性のワンルームマンションの清掃を依頼された。ドアノブを回すと、柔軟剤のラベンダーの香りと人間の腐敗臭が混じり合って鼻をついた。

 明かりをつけると、部屋の真ん中に薄ピンク色のキャンプ用テントが立てられていた。周りにはテレビも化粧台もなく、天井に届きそうなスチールの洋服棚があるだけだ。彼女はトイレのガス管で首を吊ったらしく、テントからトイレまで血液が垂れていた。

 テントの後ろに「本当にちょっとだけ泣いた」といった心が疲れた人向けの本が何冊かあった。テント内で本を読む時、彼女はどんな気持ちでいたのか。

 韓国の特殊清掃人が見た孤独死の現場の記録。

(実業之日本社 1980円)

【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  2. 2

    視聴率の取れない枠にハマった和久田麻由子アナの不運 与えられているのは「誰でもできる役割」のみ

  3. 3

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  4. 4

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  5. 5

    田中将大が楽天を去った本当の理由…退団から巨人移籍までに俺とした“3度の電話”の中身

  1. 6

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 7

    あのちゃん追い風だった女優業に暗雲の炎上!「嫌いな芸能人」発言で反撃される痛恨

  3. 8

    高市首相応援議連「国力研究会」発足 “大政翼賛会”に入会しなかった70人と主な議員の名前

  4. 9

    巨人“育成の星”のアクシデントに阿部監督は顔面硬直、原辰徳氏は絶句…桑田真澄氏の懸念が現実に

  5. 10

    出口夏希の“男選び”がもたらす影響…伊藤健太郎との熱愛報道と旧ジャニファンが落ち込む意外