「小さなことからコツコツと」西川きよし著

公開日: 更新日:

「小さなことからコツコツと」西川きよし著

 昭和38年2月の厳寒の朝、16歳の西川潔は文楽座の楽屋口で喜劇役者の石井均を待っていた。「弟子にしていただきたいのですが……」と哀願しても、「ああ、ごめんね」と立ち去って行く。だが、1カ月興行なので、朝晩60回のチャンスがある。9日目にようやく楽屋に入れてもらえた。

「休みなし、給金なし」で、舞台の袖で芝居を見られるのが「報酬」という厳しい生活。その後、吉本新喜劇に移籍するが、「通行人A」の役ばかり。

 ある日、天才少年漫才師として華々しくデビューした横山やすしの相方にという話がきた。「芝居よりも漫才のしゃべくりのほうが似合うていると思うんや」と口説かれて……。

 芸能生活60周年を迎えた漫才師の自伝。

(文藝春秋 1760円)

【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも