「怪談・骨董」小泉八雲著 平川祐弘訳

公開日: 更新日:

「怪談・骨董」小泉八雲著 平川祐弘訳

 いまは昔、越後の国、新潟の町に長尾という男が住んでいた。医師の父親を継ぐべく勉強中の長尾は、学業を終えたら、いいなずけのお貞との結婚が決まっていた。しかし、お貞は肺病でたった15歳で人生を終える。

 そのいまわの際、お貞は長尾に彼が望むなら、「わたしどもはこの世でまたお会いするよう運命づけられている」と語る。ただそのためには、もう一度この世に生まれ、一人前の女になるまで待たなければならないという。その死を嘆き悲しんだ長尾は、別人となって帰ってくるはずのお貞をめとると誓いを立てる。しかし、長男の長尾は父の選んだ女性との結婚を承諾せざるをえなくなる。(「お貞の話」)

「耳なし芳一」など民話をもとに数々の怪談や奇談を生んだ小泉八雲の代表作を編んだ作品集。

(河出書房新社 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カーリング女子フォルティウス快進撃の裏にロコ・ソラーレからの恩恵 ミラノ五輪世界最終予選5連勝

  2. 2

    南原清隆「ヒルナンデス」終了報道で心配される“失業危機”…内村光良との不仲説の真相は?

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  5. 5

    高市政権「調整役」不在でお手上げ状態…国会会期末迫るも法案審議グダグダの異例展開

  1. 6

    円満か?反旗か? 巨人オコエ電撃退団の舞台裏

  2. 7

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  3. 8

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 9

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  5. 10

    近藤真彦「合宿所」の思い出&武勇伝披露がブーメラン! 性加害の巣窟だったのに…「いつか話す」もスルー