「怪談・骨董」小泉八雲著 平川祐弘訳

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「怪談・骨董」小泉八雲著 平川祐弘訳

 いまは昔、越後の国、新潟の町に長尾という男が住んでいた。医師の父親を継ぐべく勉強中の長尾は、学業を終えたら、いいなずけのお貞との結婚が決まっていた。しかし、お貞は肺病でたった15歳で人生を終える。

 そのいまわの際、お貞は長尾に彼が望むなら、「わたしどもはこの世でまたお会いするよう運命づけられている」と語る。ただそのためには、もう一度この世に生まれ、一人前の女になるまで待たなければならないという。その死を嘆き悲しんだ長尾は、別人となって帰ってくるはずのお貞をめとると誓いを立てる。しかし、長男の長尾は父の選んだ女性との結婚を承諾せざるをえなくなる。(「お貞の話」)

「耳なし芳一」など民話をもとに数々の怪談や奇談を生んだ小泉八雲の代表作を編んだ作品集。

(河出書房新社 990円)

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