(68)源内が雷神を封じ込めたらしい
昼下がりの吉原、鱗形屋孫兵衛が油ぎった顔に好色を上塗りして花魁を迎える。さほど遠くもないところから、蔦重が注視しているのを気づきもしない。
蔦重と並んで座る娘が、心配そうに彼をみやった。
「どうしたの? 急に顔色が悪くなっちゃったけど」
「いや、何でもありま…
この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。
(残り1,301文字/全文1,441文字)
【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】
初回登録は初月110円でお試しいただけます。