「茨鬼(いばらき)」吉森大祐著

公開日: 更新日:

「茨鬼(いばらき)」吉森大祐著

 天明の大飢饉で、伊勢国津藩の名家、藤堂家も財政が窮迫していた。藩主、高嶷は藩政を立て直すためにわずか300石で20代半ばの茨木理兵衛重謙(しげかね)を郡奉行という要職に就ける。

 ある日、大坂から杉立治平が帰国した。理兵衛は伊勢の最重要産品である伊勢木綿を御用商人を通さず大坂で直売しようとしたが、杉立はそれをとがめた。

 だが、理兵衛は藩の取り分が増えると言って譲らない。御用商人の川喜多は、藤堂家に用立てている1万両を即日返済してほしいと言い出した。家老の藤堂監物は、理兵衛をかばいながらも彼の政策を警戒していた。

 藩の財政を立て直すため奮闘する下級武士を描く歴史小説。 (中央公論新社 2530円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か