「われらみな、星の子どもたち」増山実著
「われらみな、星の子どもたち」増山実著
星場恵介は両親の故郷である能登半島を震度7の大地震が襲ったことを知る。従姉の菜美子一家は無事だったが、家は壊れてしまった。入院中の父に伝えると、長男である父の代わりに次男である菜美子の父が継いだ実家を心配している。
実家の蔵に、父の伯父・栄太郎が買ってくれた海洋小説の雑誌があるという。恵介が実家を訪れて、菜美子と蔵に入ってみると、「少年少女譚海」という雑誌が置かれていた。恵介が持ち帰った雑誌を見た父は、懐かしそうに家族の話を始める。栄太郎は船員になって、ニシン粕や醤油を運ぶ仕事をしていた。
本家の傍系で、田んぼも持たない貧しい家に生まれ、波瀾万丈の人生を送った一族の物語。 (祥伝社 1980円)