「怪談屋怪談2」川奈まり子著
「怪談屋怪談2」川奈まり子著
1人暮らしのデザイナー、まりこにとって、マンションの隣にあるコンビニは心のオアシスで、一日に2度も3度も行っている。マンション入り口の近くの地面に書かれた「止まれ」の標示を無意識に踏んでいたが、必ず足にドシッという鈍い衝撃を感じる。
ある日、飲み会で同席した人が、以前、その向かい側のマンションに住んでいた若い女性が飛び降りて、「止まれ」の「ま」の字の上に落ちたと言った。夜遅く飲み会から帰ったまりこがタクシーから降りた瞬間、ぐちゃっとした感覚が足の裏に伝わり、女の声がした。「どいてください」。(「止まれ」はおまりこ)
民俗学者、呪物コレクターら17人が語る「実体験」。
(笠間書院 2420円)