「ちとせ」高野知宙著
「ちとせ」高野知宙著
明治5年春、博覧会で賑わう京都・鴨川のほとりで、三味線を弾く14歳のちとせは、俥屋の跡取り息子・藤之助から声を掛けられる。天然痘の後遺症でやがて目が見えなくなるちとせは、今のうちにいいものを見せてやりたい、三味線を習わせ手に職をつけさせてやりたいという母に連れられ、3カ月前に丹後から京に出てきた。そして、通りかかった家から聞こえる三味線の音にほれ込み、元芸妓のお菊に頼み込み、住み込みで三味線を習っているのだ。事情を知った藤之助は、その後、河原で三味線の稽古に励むちとせの前に現れては、京の町を案内してくれるようになった。
時代が大きく変わろうとする中、失明におびえながらも懸命に三味線の稽古に励むちとせの葛藤と成長を描いた青春小説。
(祥伝社 880円)

















