「ルポ路上メシ」國友公司著

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 あちこちの炊き出しで、著者はいろんなメシにありつく。上野の正岡子規記念球場の牛めしは2時間待ちの価値あり。四谷のイグナチオ教会のカレーは店で出せるほどうまい。雨の代々木公園、雨水入りカレーうどんは悲しみの味。

 東京の生活困窮者の間には、「炊き出し界隈」と呼ばれるコミュニティーがある。情報通のリーダーが率いる集団は、都内の炊き出しを効率的に回り、月の食費0円を目指している。著者は彼らの炊き出しツアーに参加し、路上メシのハシゴを体験する。リーダーの大きなキャリーケースは1日の収穫で満杯。

 毎日これだけ炊き出しがあるのだから、ホームレスになっても、生活に困窮しても、飢えることはない。しかし、と著者は考える。飢えないためのメシには「何か」が欠けている。しかし、それがなければ、もっと何かが欠けてしまう……。

 令和の貧困の様相がジワリと伝わってくるルポルタージュ。路上メシのガイドブックにもなる。 (双葉社 1870円)

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