不倫が糾弾される時代 上戸彩「昼顔」で主演女優賞なるか

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 テレビや新聞、雑誌など出まくりだったメディアジャックは実を結んだのか。10日に初日を迎えた上戸彩(31)主演の映画「昼顔」(東宝配給)のこと。オープニング2日間の興行収入は、「2億9400万円とまずまずの出だしで、同日公開の『22年目の告白 私が殺人犯です』に続く2位にランクイン。最終で15億円が狙えるラインですが、企画・製作を担当したフジテレビが20億円超を狙っていたことを考えるとやや物足りないスタートでしょう」(映画興行関係者)。

 3年前に放送されたドラマの続編。清純派の上戸がダブル不倫に溺れる汚れ役を演じ、相手役の斎藤工(35)との濡れ場が話題になった。平均視聴率14%近くをマークした注目作だが、客足が伸び悩んだ理由のひとつは、連ドラ放送から3年もの歳月が経ったことにある。しかも、何かと不倫が糾弾されるご時世だ。映画ジャーナリストの大高宏雄氏は、「今の時代に不倫を題材にすることの難しさを痛感させられた」とこう続ける。

「不倫した者たち以上に、不倫された側の心情に重きをおいて描かれた本作。井上由美子らしい人間の機微を深くえぐる会話劇が魅力の、力の入った脚本でしたが、その分、上戸演じる主人公を全肯定できないもどかしさも感じました。観客もモヤモヤした気持ちで劇場を後にした人は少なくないはず。加えて、テレビ局製作の映画はのちにGP帯でのテレビ放送を考えており、濡れ場も過激にできない。今作では心まで裸にするほどの激しい濡れ場が存分に欲しかった。コンプライアンス重視の世相において不倫も濡れ場も非常にデリケートであり、あらゆる目配せがなされた一本だが、映画としては満足度が下がるのです」

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