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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

「百恵」の2文字 表紙にあれば雑誌はバカ売れするジンクス

公開日: 更新日:

「どんな話でもいいからネタを探せ!」

 73年、百恵も「としごろ」でソロデビューするが、思いのほか伸びず、すぐさま方向転換――。

〈女の子の一番、大切なものをあげるわ〉という性を連想させる歌詞を盛り込んだ「ひと夏の経験」が大ヒットした。純朴そうな少女が表情を変えることなく淡々と歌う姿がファンを魅了。「青い性」路線で百恵は一躍スターへと駆け上っていった。

 謎めいた少女? 関心は百恵のルーツに向けられた。出身は基地の街・横須賀。父はいない。母と妹の3人暮らし。決して裕福ではなかったが、同級生からは「とても真面目でおとなしい子」という印象が多く聞かれた。そんな話と共に子供時代の写真を掲載すると世間の関心を呼び、女性誌は売れた。

 ちなみにスターの「発掘写真」は百恵がきっかけで、週刊誌の名物企画になっていた。時には高校時代のヤンキー写真を発掘することもあり、波紋を呼ぶこともあった。

 百恵が女性誌界に与えた影響力はそれ以外にもある。購買動機につながる女性誌の表紙には芸能から実用記事まで売り物のタイトルが入る。そこに「百恵」の文字が入れば、雑誌は売れるというジンクスが生まれていた。

 編集長も「どんな話でもいいから百恵ネタを探せ」と各誌が競うようになった。なかには、百恵の家から出されたゴミの写真を撮って掲載するゲリラ誌まであった。それは百恵人気による女性誌バブルの始まりだった。  =つづく 

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