角川博さんと西城秀樹さん“お好み焼き屋”レア写真の思い出

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脳梗塞で倒れた翌年、新宿のバス乗り場でバッタリ!

 なかなか会うこともできないだろうなと思っていました。それが、翌12年の春先、3月のことです。思いもかけないところでバッタリ会うことができた。

 新宿の55ひろばのバスの発着所に、スキー教室で出かけたうちの下の子を夫婦で迎えに行った時です。まだ寒くて、ビルの中で待っていたら見覚えのある人が杖をついて立っていた。あれ、だれだろうと思って見たら秀樹さんだった。思わず「西城さん!」と呼びました。

 秀樹さんは結婚して10年くらい。上の子がうちの子と同じくらいで、やはりスキー教室からの帰りを夫婦で迎えに来ていたんです。

 バスの到着が遅れていたので、近くのカフェでお茶しながら一緒に子供の帰りを待っていました。秀樹さんの奥さんはすぐ近くの席でお友達と、僕は秀樹さんとたくさん話をしました。「体は大丈夫なの?」と聞いたら、リハビリをして、また仕事がしたい、頑張りたいというような感じのことを言っていたかな。お互いに連絡先を交換して「また会おうね」と言ってその時は別れました。

 後日、自宅に秀樹さんから留守番電話に「また連絡させていただきます」とメッセージが残っていたのですが、こちらも忙しくさせていただいていた時期で、お会いすることはありませんでした。

■公演先で姿を見たのが最後

 最後に会ったのは亡くなるちょっと前です。18年4月19日、練馬文化センターで日本歌手協会の「第23回紅白歌合戦」が行われました。秀樹さんは出演者じゃなく、客席の後ろの方で座って見ていました。公演の途中で司会者の方が「西城さんも見えてます!」と紹介したので、確か、手を振ってファンに応えていたと思います。

 その時は僕が楽屋に入ろうとしたら、客席の方から楽屋の方の通路に車椅子でやってきた。周囲に人が多くて、挨拶もできないし、秀樹さんも僕のことはわからなかったと思います。なんとか元気になってくれればと願いましたね。

 それから6日後の25日です。自宅で倒れて緊急入院し、そのまま5月16日に息を引き取りました(享年63)。亡くなって胸にポッカリと穴があいた気がしました。休みなく働いていたから、改めて会うようなことはなくて時々、番組で一緒になって「元気?」なんて言葉を交わすことがほとんどだったけど、いなくなってみると、本当に寂しかった、つらかったですね。

 この写真を見て、同世代の秀樹さんと一緒に過ごした青春時代を思い出しています。

(取材・文=峯田淳/日刊ゲンダイ

■8月5日、デビュー45周年記念のシングル「雨の香林坊」リリース(作詞:麻こよみ、作曲:南乃星太、編曲:伊戸のりお)

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