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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

自分より相手の反応を優先させる 渡辺謙の「お笑い魂」

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 渡辺のお笑い好きは付け焼き刃などでは決してない。何しろ、自分の一番古い記憶が小学3年生のときのお別れ会で、みんなの前で落語を披露したことだという。しかも、それは“新作落語”。当時よく読んでいた落語全集を手本に、北海道を題材にした落語を自ら作ったのだ(紅屋オフセット「ゴールデンライフ」20年3月号)。

 英語がほとんどしゃべれない状態で「ラストサムライ」に出演し、ハリウッド進出を果たした「世界のケン・ワタナベ」。今では英語でもインタビューを受けているが、そんなときでも「とにかくウケたい。相手を笑わせたいんです」(アルク「ENGLISH JOURNAL」19年11月号)と言う。

「英語、日本語にかかわらず、ユーモアって大事。言葉の選び方だけでなく、間の取り方や機転の利かせ方を、いつも考えています」(同前)と。それこそが、渡辺が国境も越えて幅広い役柄を求められる理由のひとつだろう。

 渡辺は役柄へのこだわりはないという。今後やりたい役を問われても「ない」と繰り返している。冒頭の番組でも「自分がこうなりたいとか自分がこうしたいっていうよりも、人が『あいつをこうしてやりたい』っていう方が、よっぽど面白いことがいっぱいあった」と語っている。

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