著者のコラム一覧
三遊亭鬼丸落語家

昭和47(1972)年生まれ。長野県上田市出身。平成9年、三遊亭円歌に入門。前座名は「歌ご」。平成12年、二つ目に昇進し「きん歌」に改名。平成22年、「三遊亭鬼丸」襲名で真打ち昇進。NACK5「ゴゴモンズ」メインパーソナリティー。

古典落語には隠れてお酒を飲もうとする噺がありますが…

公開日: 更新日:

 驚きましたねぇ、令和の禁酒法。飲食店や居酒屋の方は寝耳に水。酒飲みたちには青天の霹靂。SNSでは「置いてあるお酒を飲んだ場合は1杯500円の罰金」なんてトンチの利いたお酒の売り方が出てました。提供はしてないしあくまでも罰金ですからセーフですよね。

 どうやったら飲めるか、飲ませられるかを考えるのは楽しいですね。ホッピーのソトだけ店の中で売って、ナカを店の外で売ればセーフでしょうか。外が中で中が外ってわかりづらくてすみません。お酒のセミナーを開いてて「教材費を納めたあとは試飲し放題」なんていう手口もいいですね。日常でウーロン茶をオーダーしてもアルバイトがうっかりでウーロンハイを提供してしまうなんてことがたまにありますが、それを逆手に取って「うっかり希望」とオーダーするとアルコール入りにしちゃうとか。

 古典落語には禁酒番屋、二番煎じといった隠れてお酒を飲もうとする噺があります。禁酒番屋は屋敷内にお酒持ち込み禁止になってるにもかかわらず酒屋に何とか届けるように注文。酒屋は入り口の門番の目をかいくぐって持ち込むためにいろいろ策を弄します。菓子屋に扮してカステラと偽ったものの、包みの重さを疑われ、中からは酒。それでも「水カステラ」ですと強弁すれば門番たちの方が一枚上手。水カステラを検査するといって門番がガブガブという噺。もうひとつの二番煎じは冬の火の用心の夜回り。その合間に番小屋に酒を持ち込み猪鍋で一杯。酔っぱらってるところに見回りの侍がやって来て苦し紛れに「煎じ薬」と答えれば侍が飲みたがり帰り際には「二番を煎じておけ」。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  2. 7

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  3. 8

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 9

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  5. 10

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?