日枝久取締役相談役が辞めてもフジテレビの再生なし…「独裁者」がいるメディアほど業績がいい不思議

公開日: 更新日:

「フジの“上納文化”をつくったのは日枝久だ」「“独裁者”日枝が40年近くも支配してきたためフジは企業統治不全に陥っている」「日枝久の大罪を暴く」──。

 諸悪の根源は日枝相談役にあり、彼を取り除きさえすればフジテレビはまっとうなテレビ局になるがごとき言説がまかり通っているが、本当だろうか。

 私は長年メディア界を見てきたが、独裁者と呼ばれた人間は多くいる。テレビ朝日初のプロパー社長になった早河洋代表取締役会長もその一人だろう。今は業績、視聴率ともに好調だから“平穏”に見えるが、醜聞の火種はくすぶっているとみているのだが。

 しかし、読売新聞の歴代の独裁者たちに比べればまだ可愛いといってもいい。読売中興の祖といわれる正力松太郎の新聞の“私物化”は今でも語り草である。中でも自分の動向を記者に書かせ、逐一紙面で報じる「正力物」は読者からも批判が寄せられた。当時読売に在籍していた作家の本田靖春によると、あまりの正力の私物化に抵抗して、正力が住んでいる逗子に配る新聞だけで大きく扱い、そのほかの地域はベタ記事に差し替えるという“姑息”なこともやったという。だが、社内からの批判の声は大きくならず、本田だけが抗議の意味を込めて読売を辞めた。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本中学生新聞が見た参院選 「参政党は『ネオナチ政党』。取材拒否されたけど注視していきます」

  2. 2

    松下洸平結婚で「母の異変」の報告続出!「大号泣」に「家事をする気力消失」まで

  3. 3

    松下洸平“電撃婚”にファンから「きっとお相手はプロ彼女」の怨嗟…西島秀俊の結婚時にも多用されたワード

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  1. 6

    (1)広報と報道の違いがわからない人たち…民主主義の大原則を脅かす「記者排除」3年前にも

  2. 7

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  3. 8

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  4. 9

    自民党「石破おろし」の裏で暗躍する重鎮たち…両院議員懇談会は大荒れ必至、党内には冷ややかな声も

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」