ドラフト1位でソフトバンク1期生の江川智晃さん 三重で家業の精肉販売を引き継ぎ多忙の日々
いきなり「肉を切れ」と言われ…
「『営業をやってほしい』と言われ、それなら僕にもできるかなと思っていたら、いきなり『肉を切れ』と言われ、話が違うと(笑)。僕、不器用なんで、最初にそう言われたら帰ってこなかったと思います。でも、もうやるしかなかったんで」
■とんかつ店と食堂も経営
朝2時起きで、1人で黙々と肉を切ることから始め、店舗を構え、納品先を開拓し、現在は一志ピックファームの役員として“一志SPポーク”のブランド化に努める。また、高校時代の野球部の友人と別会社を立ち上げ、一志SPポークを使ったとんかつ店「とんかつ四十三番」を松阪市と伊勢市に、「四十三番食堂」を伊勢市の隣の度会町で経営する。
「正解がないなか、従業員や商品、お客さま、そして数字のバランスを考えながら決断し続けなければならないところが経営の難しさ。でも考えながら改善していくのは、野球とも共通しているなと感じています。福岡でも開店し経営が安定したら、次は野球の比重を高め、野球塾を始めたいですね」
3年前、九州朝日放送の5歳下の社員と結婚。3歳の長男、11カ月の次男の4人で、「まるとも荒木田商店」から車で10分のマイホームに暮らす。
「妻は福岡の街中で生まれ育った人。親戚も友人もいない三重に来てくれたので、僕がフォローしないと。週2日休め、夜6時には仕事から上がれるようになったので、皿洗いや子どもを風呂に入れたり、家族との時間も大切にしています」
ソフトバンクとの最初の契約金8000万円の一部は、マイホームの資金になったそうだ。
(取材・文=中野裕子)
▽江川智晃(えがわ・ともあき) 1986年10月31日、三重県伊勢市生まれ。小2で野球を始め、県立宇治山田商業高校2年の夏に甲子園出場。2004年、福岡ダイエーホークスからドラフト1位指名を受け、ソフトバンク1期生に。13年には12本塁打を記録し、3番を務めたこともあったが、19年引退。球団に残りスコアラーを務めていたが、20年退団。



















