植物性油脂にたっぷり「トランス脂肪酸」は害にしかならない
食品に含まれる「トランス脂肪酸」を巡る問題が再び持ち上がっている。数年前から危険性が指摘されているが、まだそれほど一般に広まっているとはいえない。本当に危ないのか。
トランス脂肪酸は、植物油に水素を添加して固体化・粉末化していく過程で生成され、マーガリンやショートニング、クッキーなどの焼き菓子、揚げ物に多く含まれている。
過剰に摂取した場合、LDL(悪玉)コレステロールを上昇させ、HDL(善玉)コレステロールを低下させることが分かっている。動脈硬化を促進させ、心筋梗塞や狭心症といった心臓疾患のリスクを高めてしまう。
他にも、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎といったアレルギー疾患の疾患率を上昇させたり、認知症やパーキンソン病を引き起こすという報告もある。
血中の中性脂肪が増加することでインスリン抵抗性が増し、高血圧、糖尿病、心臓病の原因になる可能性も指摘されている。
東北女子大教授の加藤秀夫氏(時間栄養学)はこう解説する。