抗がん剤はコーラと飲むと吸収力が高まる?

公開日: 更新日:

 がん治療の知識が多少なりともある人なら、「タルセバ」(一般名、エルロチニブ)という抗がん剤の名前を聞いたことがあると思います。肺がんの8割を占める非小細胞肺がんの治療薬で、現在は膵がんにも使われます。

 タルセバは胃のpH(ペーハー)によってその効果が大きく変わるという特徴があります。胃のpHが高くなれば吸収率が低下し、pHが低くなると吸収率が高くなるのです。

 タルセバを服用する患者さんの多くは「プロトンポンプ阻害剤」と呼ばれる消化器薬を飲んでいます。抗がん剤の副作用である胸焼けを防止するためです。しかし、このプロトンポンプ阻害剤を服用すると、胃のpHが高くなるという問題があります。

 そのため、せっかくのタルセバの吸収が悪くなり、効き目が十分ではありませんでした。

 そこで、タルセバの吸収力を高めるものの登場が期待されてきました。いま、この難題を解決するものとして期待感が高まっているのが「コーラ」だといいます。

 欧州臨床腫瘍学会で、「タルセバをコーラで飲んだ場合と水で飲んだ場合を比較したところ、コーラの方がタルセバの吸収が良かった」との報告がなされています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ