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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

片岡鶴太郎さん報道で考えた がんリスクが最も高いのは?

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■ベストは小太り

 男性でがんの相対リスクが最も低いのは「25以上27未満」で0.9。データの上では、やせているよりも小太りの方ががんになりにくいことが見て取れます。

 中高年35万人を追跡した調査でも同様の結果です。男性の場合、がんを含めた全死因の死亡率が最も少ないBMIは「25以上27未満」。最も多いのはやせ過ぎの「19未満」で、がんを含む全死亡率が8割以上高くなっていました。

 もうひとつは食事です。鶴太郎さんは大量のフルーツと手作りの総菜を2時間かけて食べるそうです。1日1食。患者さんとお話ししていると、がんと分かった途端、肉を一切食べなくなり、玄米菜食を貫くということを耳にします。

 ベジタリアンはヘルシーなイメージがありますが、菜食主義者ががんになりにくいということではありません。動物実験の結果ですが、肉も野菜も食べる雑食ネズミは、野菜のみの菜食ネズミより2倍近く長寿です。

■高齢者でも肉を


 南カリフォルニア大学の研究によると、66歳以上だと、多くのタンパク質を摂取したグループは少ないグループに比べてがんによる死亡率が60%も低く、全死因の死亡率も3割近く少なかったことが分かっています。高齢者ほど適度な肉の摂取が大切なことがうかがえます。

 肉食文化が定着し、若者では大量の肉を取る人がいますが、高齢者の動物性タンパク質の摂取量は欧米よりはるかに少なく、大豆はじめ植物性タンパク質の量が多くなっています。高齢者がことさら肉の摂取量を減らすことはありません。肉も野菜も炭水化物もバランスよく食べるのが一番です。

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