高齢者の「てんかん」は医師も本人も周囲も気づかない

公開日: 更新日:

 家族や同僚に、ボーッとして反応がない様子が時々見られたら、「てんかん」かもしれない。

 てんかんは、脳の神経細胞が一時的に興奮状態になる疾患。それによってさまざまな症状が表れる。よく知られるのが、突然起こる「意識を失う」「けいれん」「崩れるように倒れる」などだ。

「ところが、これらとは違うけいれんがあり、注意が必要なのです」

 こう指摘するのが、朝霞台中央総合病院脳卒中・てんかんセンター長の久保田有一医師。一般的に「高齢者のてんかん」と呼ばれるてんかんだ。

 高齢者のてんかんには、脳卒中、脳腫瘍、頭部の外傷などで起こるものと、加齢による脳神経の変性などで起こるものとがある。久保田医師が注意を促すのは、後者だ。

 高齢者のてんかんは、症状が非常に地味で、発作頻度が、あっても月1回程度。症状が表れる時間は1~2分と短い。患者の発作時の様子を写した映像を見せてもらうと「症状が地味」というのがよくわかる。

 脳波モニターでは明らかな脳波異常が見られるが、患者の様子は脳波が正常な時と一見変わらない。久保田医師が指さしたのは、足でトントントンとリズムを取るような動き。また、ほかの患者の映像では、イライラしている様子、横になってテレビを見ている様子が映し出された。いずれも、高齢者のてんかんによる症状だという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった