著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

これからは「国民皆保険」で守られてきた医師ばかりという時代になる

公開日: 更新日:

 2017年は、国民皆保険制度がスタートした1961年から数えて56年目に当たります。現役で医学部に入学し、その1961年に24歳で卒業した医師は80歳になりました。80歳という年齢は、一般的にはリタイア世代といえます。医師の世界でも、周囲からはほぼ“上がり”という評価をされる年齢です。つまり2017年は、24歳で医師になって以来、自分が行った医療行為に対する収入が、すべて国民皆保険でカバーされた世代の医師だけになった年ということになるのです。

■患者は賢く医師を使いこなそう

 中には、国民皆保険制度からは外れた自費診療だけを行っていた医師もいますし、今も一部の患者さんからそうしたニーズはあります。ただ、そういった医師は「自己責任で医療を行っている特殊な医師」と考えるのが現状で、いまは99%の医師は何らかの形で保険診療を行っているといわれています。ですから、ある意味で2017年は「国民皆保険制度元年」と言ってもいいでしょう。

 また、収入面だけでなく、医師自身が病気になったり、その家族が医療行為を受ける際なども、すべて国民皆保険制度に守られてきたといえます。一般の方は、保険料を納めることで少ない自己負担で医療を受けられるだけですが、医師はさらに収入の原資をそこに求めているので、保険制度に支えられる恩恵は想像以上のものになります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い