市販の咳止めや風邪薬 安易な服用が推奨されない理由

公開日: 更新日:

 そもそも、風邪はウイルス性疾患だ。総合感冒薬を飲んでもウイルスは排除できないので、風邪そのものが治るわけではない。あくまでも発熱などの風邪症状を一時的に緩和させる効果しかない。咳が長引いているからと総合感冒薬を飲めば、余計な成分の薬を取り続けることになる。それだけ、眠気やふらつきなどの副作用から事故につながったり、間質性肺炎肝機能障害といった重篤な副作用が表れる可能性もある。

 また、市販の咳止め薬も、去痰薬や解熱鎮痛薬などが配合されているものがほとんどだから、これらも必要のない成分を取ることになってしまう。日常生活に大きな支障がない風邪による咳は、一般的に7~10日くらいで改善する。薬で無理に咳を抑えるような治療は必要ないのだ。

 それでも、風邪が原因のつらい咳を止めたいケースもあるだろう。

「医師が風邪による咳止めとして処方している薬の代表的な成分は、鎮咳薬のコデインと気管支拡張薬のエフェドリンです。コデインは咳中枢を抑えて咳を止め、エフェドリンは交感神経を興奮させることで気管支を拡張させ、息の通りを改善します。抗ヒスタミン薬であるクロルフェニラミンも処方されますが、これはアレルギーによる咳を改善させる薬です」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝