著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

村中璃子さんにJ・マドックス賞 子宮頸がんワクチンが男性にも必要な意味

公開日: 更新日:

 この受賞をなぜ取り上げるかというと、男性にとっても大きな意味を持つからです。HPVは女性が感染すると、子宮頚がんになりますが、男性が感染すると、尖圭コンジローマや陰茎がんになる可能性が高まります。つまり、セックスによって、男女ともHPVに感染するのです。

 HPVが喉に感染すると、咽頭がんになることも分かっていて、咽頭がんの2割はHPV感染が原因とされています。咽頭がんを公表した米俳優マイケル・ダグラスさんは「咽頭がんの主な原因はHPV感染だからね」と語ったことでご存じの方もいるでしょう。

 このようなことから、今回の受賞報道は男性も無視できないのです。海外では男性へのワクチン接種が勧められている国もあります。

■先進国で死亡率増加は日本だけ

 そういう状況の中、日本ではワクチン接種が事実上ストップしているのは残念でなりません。当初接種されていたワクチンは1世代古いものですが、接種すると子宮頚がんの発症率は3割にまで低下。当初の接種率は大体7割でしたから、接種していた学年の女性は、半数が子宮頚がんにならずに済むのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する