<7>「環境」か「宿命」か 世界的学術雑誌が真っ向対立

公開日: 更新日:

 がん遺伝子が壊れる病気といわれる。そのキッカケとなるのは大気汚染や化学製品、お酒やたばこ、運動不足や過食などの生活習慣を含めた環境要因なのか。

 それとも細胞分裂に伴う遺伝子のコピーミスや細胞呼吸による酸化など内因的原因で発生する必然なのか。

 その割合について世界中で論争が続いている。

「がんの60%以上はDNAのコピーエラーで起きるのであって、どうあがいても回避できない」

 こう主張しているのはジョンズ・ホプキンス大学キンメルがんセンターのクリスチャン准教授とベルト教授で、「サイエンス」に発表した。これまでは親から子に受け継がれる遺伝と農薬や大気汚染などの環境要因が原因とされたが、もうひとつ別の要因があって、その方がメインだという。

 一方、「ネイチャー」は「がんの70%は環境要因であり、細胞分裂に伴う遺伝子のコピーミスは30%以下」と正反対の主張を掲載している。

 もし、がんの60%以上が内因的要因による不運な出来事の連続で起こるのなら、それほど発がん物質などに神経質になる必要はないようにも思える。元東京大学医学部長(病理学)で現同大名誉教授の石川隆俊氏が言う。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「マラソン」と「大腸がん」に関連あり? ランナー100人への調査結果が全米で大きな波紋

  2. 2

    “マトリ捜査報道”米倉涼子の圧倒的「男運」のなさ…海外から戻らないダンサー彼氏や"前科既婚者"との過去

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    大阪・関西万博「最終日」現地ルポ…やっぱり異常な激混み、最後まで欠陥露呈、成功には程遠く

  5. 5

    米倉涼子“自宅ガサ入れ”報道の波紋と今後…直後にヨーロッパに渡航、帰国後はイベントを次々キャンセル

  1. 6

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 7

    新型コロナワクチン接種後の健康被害の真実を探るドキュメンタリー映画「ヒポクラテスの盲点」を製作した大西隼監督に聞いた

  3. 8

    巨人の大補強路線にOB評論家から苦言噴出…昨オフ64億円費やすも不発、懲りずに中日・柳&マエケン狙い

  4. 9

    元体操選手の鶴見虹子さん 生徒200人を抱える体操教室を経営、“アイドル”も育成中

  5. 10

    地上波連ドラ3年ぶり竹内涼真に“吉沢亮の代役”の重圧…今もくすぶる5年前の恋愛スキャンダル