震災時におびえ症状も 発達障害の子供をどうケアするべき

公開日: 更新日:

 こうした子供たちは“音”“人と近い距離”“不慣れな場所”が苦手だ。

「声をかけるときは平坦な口調で話しかけましょう。部屋のなかでは隅っこや布団と布団の間に挟まれていると安心します。避難所などでは集団からぽつんと離れていると安心という場合もあることを理解してください」(宮尾院長)

 また、発達障害の子供は、不安や恐怖で体が震えたり、被災生活での運動不足で体がムズムズすると、なぜそのような体や心の変化が生まれるのか、その理由を理解しづらい。それを説明してあげることも安心につながる。

「心臓の鼓動が速くなる理由がわからず、パニックになる子供たちもいます。恐怖を感じると人は自然とそうなることを話すと落ち着く場合があります」(宮尾院長)

 大きなストレスを感じている子供たちはより睡眠が大切と言うのは独協医科大学埼玉医療センター「こころの診療科」の井原裕教授だ。

「震災後、大人たちは、夜中までテレビやラジオで情報を得ようとしますが、子供は付き合わせない方がいい。子供は感受性も強く、記憶力もよすぎる。衝撃的な映像も音声も、脳裏に刻み込まれてしまいます。睡眠不足が加わると、こだわりやパニックなどの発達障害の症状が強く出ます。だから、生活リズムを変えずに震災前と同じ時刻に寝起きさせましょう」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    【速報】髙橋光成がメジャー挑戦へ!ついに西武がゴーサイン、29日オリ戦に米スカウトずらり

  3. 3

    桑田佳祐も呆れた行状を知っていた? 思い出されるトラブルメーカーぶりと“長渕ソング騒動”

  4. 4

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  5. 5

    大接戦パV争いで日本ハムがソフトBに勝つ根拠…カギを握るのはCS進出に必死の楽天とオリ

  1. 6

    佐々木朗希に浮上「9月にもシャットダウン」…ワールドS連覇へ一丸のドジャースで蚊帳の外

  2. 7

    長渕剛に醜聞ハラスメント疑惑ラッシュのウラ…化けの皮が剥がれた“ハダカの王様”の断末魔

  3. 8

    「俺は帰る!」長嶋一茂“王様気取り”にテレビ業界から呆れ声…“親の七光だけで中身ナシ”の末路

  4. 9

    ロッテ佐々木朗希の「豹変」…記者会見で“釈明”も5年前からくすぶっていた強硬メジャー挑戦の不穏

  5. 10

    総裁選前倒し訴え旧安倍派“実名OK”は3人のみ…5人衆も「石破おろし」腰砕けの情けなさ