著者のコラム一覧
平山瑞穂小説家

1968年、東京生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年「ラス・マンチャス通信」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。糖尿病体験に基づく小説では「シュガーな俺」(06年)がある。

大好きな酒を諦めないために 僕が取ったのは“週1の報酬”

公開日: 更新日:

 もちろん、症状を改善して合併症を防ぎたかったのは言うまでもないが、それ以上に、週に1度だけ自分に許している飲酒の機会を死守したかったからなのだ。

 アルコール自体が概して高カロリーである上に、酒の席ではついつい食も進み、理想的な食事など望むべくもない。

 でもお酒が大好きな僕にとって、酒席を諦めるのは人生の楽しみの半分を放棄するにも等しかった。

 そうしてときにハメを外したとしても、数値が着々と改善されていくなら、酒席が本質的な問題にはなっていないという理屈が立つ。僕はそれを根拠に、週に1度はカロリー量を気にせず心ゆくまでお酒や料理を楽しむ機会を設けていたというわけだ。

 酒席は、日ごろ禁欲的な食生活を営んでいる自分に対するせめてもの報酬だったのである。

【連載】患者が語る 糖尿病と一生付き合う法

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋