著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

世界的にも日本は少ない小児肥満 学校給食には防止効果が

公開日: 更新日:

 世界的に増加傾向にある小児肥満は、日本ではむしろ少ないといわれています。この理由について、学校給食制度が挙げられていましたが、小児肥満の予防にどの程度寄与しているのか実証的な報告はありませんでした。そんな中、英国の公衆衛生学専門誌の電子版に「学校給食と中学生における肥満状況の関連」を検討した論文が2018年6月5日付で掲載されました。

 この研究では、文科省が実施している「学校給食実施状況等調査」と「学校保健統計調査」のデータを用いて、2006~15年における県レベルでの給食実施率と、中学2年生から高校1年生の栄養状態指標が調査されています。栄養状態指標については、基準体重を20%以上超過している「過体重」、基準体重を30%以上超過している「肥満」、基準体重を20%以上下回る「やせ」の生徒の割合が算出され、給食実施率との関連性が検討されました。

 解析の結果、県レベルの給食実施率が10%増加すると、翌年の過体重の男子の割合は0・37%、肥満の男子の割合は0・23%、統計学的にも有意に減少することが示されました。これは、給食実施率が10%増加すると、1年間において過体重の男子の約4%、肥満の男子の約5%が減少することを意味しています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲