<6>「聴覚と視覚の活性化で認知症予防策になっている」

公開日: 更新日:

 7月中旬、同施設を訪ねてみた。カラオケは毎週1回。パイプ椅子を並べたホール(写真)で、午後からスタートし、参加者は強制ではなく、いつも30人ぐらいが出席しているという。

 職員から車椅子を押されて参加する人。後方の椅子に座り、眠り込んでいる参加者もいた。

 進行担当の職員が、

「さて今日、1番で歌う人は山田高子さん(仮名)で~す。歌は『天城越え』」

 事前に参加する入居者から、リクエスト曲を聞いているらしい。

 指名されてマイクを握る歌い手は、最初から5人までが80歳前後の女性だった。

 若い時代、随分と歌ったと思われる歌い慣れた人もいたし、逆に、メロディーと関係なく、声を張り上げている女性もいる。

 同老人ホームの世話にボランティアで参加している社会福祉士の香川昇氏が言う。

認知症が進んでいる入居者も、リクエストのメロディーが流れ、テレビ画面に曲が映った途端に目をカッと開き、しっかり3番まで歌っています。歌い終わると、口をへの字に結んで下を向いています。カラオケはとくに聴覚、視覚の活性化で、認知症予防策になっていますね」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」