著者のコラム一覧
吉田潮ライター、イラストレーター

1972年生まれ、千葉県出身。ライター、イラストレーター、テレビ評論家。「産まないことは『逃げ』ですか?」など著書多数

<15>介護疲労がたまりにたまり常識人の母が暴言を吐いて…

公開日: 更新日:

 仕方なく実家へ飛んで行き、父の目の前で弔電を打ってなだめる。漆盆付きで8000円なり。父はしばらく興奮状態だったが、さすがに娘がわざわざ東京から来て弔電を打ったことで、冷静になってくれたようだ。

 問題は父の認知症ではなく、母の対処だ。いつまでも興奮冷めやらぬ父に対して、苛立ちを募らせた母は差別的かつ暴力的な発言で応酬していたのだ。もうね、お互い罵り合うような大喧嘩ですよ。

 母の名誉のために書いておく。母は空気をちゃんと読むことができる、まっとうな常識人だ。思想は左巻きだが、上から目線で人を罵倒したり、出自や背景で人をさげすむことは、決してしない人である。

 ところが、今回の原稿に書けないレベルの暴言を吐く母を見て、改めて「在宅介護の弊害」を強く感じたのだ。

 そもそも、ひとりで歩けない父が葬儀に参列できるわけがない。口先だけで、認知症だから明日には忘れてしまう。うんうんと受け流せばいいものを、母は真正面で受け止め、売り言葉に買い言葉を展開しちゃったのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?