著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

さくらももこさんの命を奪った乳がんを早期発見する方法

公開日: 更新日:

 47都道府県でみると、乳がんが最も多いのは東京で、最少の鹿児島の2倍以上。東京の出生率が全国最低であることに関係があると思います。閉経後の肥満と運動不足も乳がんのリスク要因で、これらも東京の患者数を押し上げている可能性が高いでしょう。

 先ほど、肥満がリスクのひとつと書きましたが、肥満大国の米国では、この30年で乳がんによる死亡率が3割も減少しました。逆に日本は3割近く上昇しています。日本のメタボ化が進んだとはいえ、米国ほどではありません。なぜかというと、意識の差です。

 乳がんは、腫瘍が2センチ以下で、リンパ節への転移がなければ、9割は完治します。早期発見ほど治癒率が高く、比較的タチのいいがんです。その点で乳がん検診の受診率を見ると、米国は85%ですが、日本は半分以下の4割。この差が、死亡率の差につながっているとみられます。

 早期発見のカギがマンモグラフィーで、厚労省は2年に1回の受診を推奨。ただし、日本人を含む東洋人は、8割がデンスブレストと呼ばれる高濃度乳腺で、マンモで見つけにくいタイプ。これには、超音波が有効です。さらに、毎年検診を受けても見つけられないほど進行が速いタイプが2割あります。

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