著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

気温と病気・死亡率の関係 少し寒い時季が一番危ない!

公開日: 更新日:

 気温が低下して急に寒くなってきました。こうした時季、体調を崩しやすいとは、誰でも感じることですが、そこに科学的根拠はあるのでしょうか? 

 気温と病気や死亡率との間に関連のあることは、以前から知られています。毎日氷点下になるような寒い地域では、凍死などが増えますし、灼熱の砂漠に住んでいれば、熱中症や脱水症が増えるのは当然です。ただ、今では住居の性能も向上し、衣類などの装備も充実していますから、昔と比べれば気温が健康に与える影響は少ないかもしれません。

 今年の「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」という一流の医学誌に、中国全土の272の町において気温と死亡との関係を分析した研究結果が発表されました。それによると、住民の病気や死亡のリスクは気温が22度くらいで一番低く、それより高くても低くても増加していました。暑さと寒さの体に与える影響には違いがあって、寒さの影響は5日目くらいが最も高く、暑さの影響は初日が一番高くなっていました。

 そして、最も病気や死亡が多かったのは、意外にも少し寒いくらいの気温が続いた時でした。その原因は不明ですが、風邪などのウイルスの増殖が寒くなると活発になり、体の抵抗力が低下することが関係している可能性が指摘されています。

 少し寒い今の時季は、一番健康に気を付ける必要がありそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ