著者のコラム一覧
河野道宏東京医科大学脳神経外科 主任教授

東京医科大学病院脳神経外科主任教授。聴神経腫瘍・小脳橋角部腫瘍・頭蓋底髄膜腫手術のエキスパート。

たとえ聴神経腫瘍が小さくても10~40代の患者は手術が必要

公開日: 更新日:

 聴神経腫瘍の治療には、手術のほかに、経過観察と放射線治療があります。聴神経腫瘍の手術を年間約100件、累積で1300件手掛けている私ですが、「何が何でも手術」と思っているわけではありません。

 小さい腫瘍であれば、年齢を考慮しつつ、経過観察や放射線治療を提案することも多くあります。

 60代以上で、進行スピードも速くなく、脳幹の圧迫などが見られない場合は、手術は最後の選択肢と考えています。

 なぜなら、手術そのものが体に負担をかけますし、聴神経腫瘍の手術は非常に難しく、顔面神経麻痺(まひ)や聴力喪失などの合併症も起こり得るからです。

 では、手術をすべきだと考える患者さんはどういう人か?

 これは私の中で決まっていて、まず、腫瘍が大きく、脳幹を圧迫して命を脅かされている人。次に、腫瘍は小さいけれど10~40代の若い人で、聴力が残っており、腫瘍の成長速度が速く、患者さんが手術のメリットを理解している場合です。


 外来を受診される聴神経腫瘍の患者さんのうち、だいたい10人中3人が手術、7人が経過観察か放射線治療……というところでしょうか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  2. 2

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 3

    “裸の王様”と化した三谷幸喜…フジテレビが社運を懸けたドラマが大コケ危機

  4. 4

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  5. 5

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  1. 6

    小泉“セクシー”防衛相からやっぱり「進次郎構文」が! 殺人兵器輸出が「平和国家の理念と整合」の意味不明

  2. 7

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  3. 8

    菅田将暉「もしがく」不発の元凶はフジテレビの“保守路線”…豪華キャスト&主題歌も昭和感ゼロで逆効果

  4. 9

    元TOKIO国分太一の「人権救済申し入れ」に見る日本テレビの“身勝手対応”

  5. 10

    “気分屋”渋野日向子の本音は「日本でプレーしたい」か…ギャラリーの温かさは日米で雲泥の差