著者のコラム一覧
奥野修司ノンフィクション作家

▽おくの・しゅうじ 1948年、大阪府生まれ。「ナツコ 沖縄密貿易の女王」で講談社ノンフィクション賞(05年)、大宅壮一ノンフィクション賞(06年)を受賞。食べ物と健康に関しても精力的に取材を続け、近著に「本当は危ない国産食品 」(新潮新書)がある。

バリアフリーにすると変化についていけない当事者もいる

公開日: 更新日:

「せっかくバリアフリーにしたのに、認知症の父は歩きにくそうにしているし、何度かつまずきました。何のためにリフォームしたのやら……」

 最近も近所の人からこんな嘆きを聞いた。

 家族の誰かが認知症になると、いずれリフォームするんだから、症状が重くなったときのことを考えてバリアフリーなどにリフォームする人が多いようだ。

 完全なバリアフリーにリフォームするのはいいとして、問題はその時期である。たとえば①認知症でない時期、②軽度の認知症と診断された時期、③ある程度症状が進行し始めた時期が考えられるが、①や②はまだいいとして、問題は③でリフォームする人が意外に多いことである。

 認知症当事者からこう言われたことがある。

「完全なバリアフリーは、足を上げる機能をなくしてしまいます。さらに段差があるという認識がなくなり、ちょっとした段差でも転んでしまうのです。軽度の人なら普段から足を上げることを意識すれば、バリアフリーでなくても大丈夫です」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景