著者のコラム一覧
武神健之日本ストレスチェック協会代表理事

東京大学医学部大学院卒。一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。年間1000件の健康相談、ストレス・メンタルヘルス相談を行う。著書に「職場のストレスが消える コミュニケーションの教科書 上司のための『みる・きく・はなす』技術」(きずな出版)などがある。

「好きな遊びを好きなだけ」子供が引きこもらない育て方

公開日: 更新日:

 大人になって求められることは、「勉強」から「仕事」に変わる。大きく3つが変わってくる。 1つ目は、「自分の問題を解決すること」から「相手の課題を解決すること」への変化。

 2つ目は、気の合う友達と過ごしてきた環境から、仲良くしづらい人とも一緒に過ごさなければならない環境への変化。 3つ目は、テストの点数で評価をされることから、行動で評価されることへの変化。机上の理論ではなく、プロセスが評価基準となる。

「これらに対応できないことが、メンタルヘルス不調の原因になっていることが多々あります。非認知能力の高い人は回復力が上回り、この変化にしなやかに対応できているのです」

 では、非認知能力はどのようにすれば身に付けられるのか。

「未就学児であれば、好きな遊びに集中して取り組ませてあげること。親と一緒に絵本の読み聞かせや、料理・掃除・片づけなどをする。そして、許容範囲内で失敗も経験させること。就学後はさまざまな体験活動を継続させる。学校や地域における好きなクラブ活動などで、仲間たちとともに、挑戦・成功・失敗などの体験を継続することで、周囲との協調や思いやりを含めて身に付けられるのだと思います。好きな遊びや部活動、絵画やボーイスカウトなどの活動を続ける。好きなことに仲間たちとともに継続的に没頭する中で感情(好きや楽しさ、達成感や悔しさ、協力や思いやり)のサイクルが自然と回り、非認知能力は育ちます」 単純に言えば、知育教育(読み書き)の塾より、サッカー教室などに通わせた方がいいのかもしれない。

 ちなみに、殺害された元事務次官の長男はツイッターに「勉強をしたくないのに、勉強をしていた」「勉強をしなければ、母親におもちゃを壊されるという教育を受けていた」と書き込んでいた。 =構成・中森勇人

【連載】ストレス社会の生き延び方

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較