脊髄損傷でも車イスや寝たきりにならない再生治療が登場

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 事故やスポーツなどで脊髄を損傷すると「治らない」といわれてきた。しかし現在、「治る」可能性が出てきた。治療の最前線を、千葉大学医学部付属病院整形外科の古矢丈雄医師に聞いた。

■札幌医科大が昨年保険承認

 脊髄を損傷すると、車イスや寝たきりの生活を余儀なくされる――。それが大きく変わろうとしている。脊髄そのものに治療を行う再生医療の研究が進んでいるのだ。

「1980年代後半から脊髄再生の基礎研究が盛んになり、条件が整えば再生可能と分かってきた。千葉大でも基礎研究から10年以上かけて安全性や効果を確認してきた薬の治験を、現在行っています。向こう1~2年で、薬事承認される可能性のある脊髄損傷の治療がいくつか登場してくるでしょう」

 昨年末、先陣を切って承認されたのが、札幌医科大学が医療メーカー「ニプロ」と共同開発した「ステミラック」だ。同病院のホームページによると、「骨髄液に0.1%程度含まれる間葉系幹細胞を培養することによって製造する再生医療等製品」。2~3週間かけて1万倍に培養した間葉系幹細胞を、脊髄損傷後6週前後の患者に点滴静注する。

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