声を出せない生活によって失った高音の「ド」を取り戻せた

公開日: 更新日:

 佐藤さんは、大声を出せるような場所を提供したいと、カラオケを提案したという。

 週に1回、2時間のカラオケタイム。平均、20人ぐらいが参加したが、「これが想像以上の効果をもたらしました」。

 まず健康面では4、5年前、カラオケをスタートさせたとき高齢の入居者は高音が出なかった。ドレミファソラシドの音符で、高音の「ド」まで出せない。「シ」で終わっていたという。それが歌を続けることで高音のドまで出るようになった。

「高音を出すことで喉が鍛えられ、息が続くようになり、横隔膜も活発化します。老人に多い肺炎誤嚥の予防策にもなりました」

 また、千昌夫のヒット曲「北国の春」を合唱するとき、歌詞カードを見せない。見ながら歌うと、老人特有の背中を丸めてしまうからだ。

 背筋をピッと伸ばしたまま歌ってもらうために、ボランティアスタッフが、次に歌う歌詞を読み上げた。

 仮設入居者の大半の老人は、外に出ることなく、1日に30分も歩くことはない。股関節の治療に金属を入れた車椅子の入居者もそうである。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった