脂質異常症での食事改善はLDLと中性脂肪で中身が少し違う

公開日: 更新日:

 中性脂肪をたくさん抱えているのが悪玉のLDLで、悪玉の中でも特にタチが悪い極悪玉が持ち運ぶ中性脂肪は何と善玉の1000倍。LDLと中性脂肪の高さはリンクする傾向があります。その背景にあるのが、中性脂肪値を上げるような食生活です。

 脂っこい食事だけでなく、アルコールや糖質が分解される過程で中性脂肪が生まれますから、炭水化物やアルコールの過剰摂取もよくありません。

 前回、減量と脂肪の関係について触れましたが、「NIPPON DATA」と呼ばれる研究によると、日本人は肥満や痩せに関係なく高コレステロール血症になりやすいことが明らかになっています。食生活の欧米化で肉に含まれる飽和脂肪酸の多い食事が広がったことが大きいのです。

 つまり、脂質異常症の人への「様子を見ましょう」は、主に食事改善を指しますが、中身は少し違います。高LDLの人は、肉や脂、卵などを控え、中性脂肪が高い人は酒や糖質のカット。HDLが低い人と中性脂肪が高い人は、運動も効果的です。自分がどのタイプかチェックして、「様子を見る」ことが肝心でしょう。

(梅田悦生・赤坂山王クリニック院長)

【連載】医師の常套句「様子を見ましょう」の真意

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」