バイオ企業が国内初の保険的用 遺伝子治療薬は拡大するか

公開日: 更新日:

 医薬専門誌編集長が最近の遺伝子治療についてこう解説する。

「キムリアは病原体を攻撃するリンパ球の一種T細胞を患者から採取し、遺伝子を改変して体内に戻す『CAR-T細胞療法』です。保険適用でも薬価は3349万円と国内で過去最高の価格です。また遺伝子治療薬では、2歳以下の乳幼児が命取りとなる脊髄性筋萎縮症の治療薬『ゾルゲンスマ』が米国で5月に承認されています。薬価が2億円を超す世界で最も高い治療薬ですが、治療を受けなければ死亡する患者がこの薬1回の投与で治るんです。20歳までこの病気の治療を受けたとして、総医療費はゾルゲンスマの薬代の方が安くなる。日本でも年内に承認、販売予定です」

 さらに、東大と第一三共の共同開発による遺伝子治療薬「G47Δ(デルタ)」についてこう述べる。

「脳腫瘍の患者を対象にした大手製薬会社による国内初の遺伝子治療薬です。現在、厚労省に保険適用の申請を準備中で、早ければ来年にも販売が見込まれています」

 難病に苦しみ、治療法がなくなった患者にとって、遺伝子治療は最後のとりでといえる。遺伝子治療を行っているさくらクリニック(東京都渋谷区)の吉田治院長が解説する。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?