著者のコラム一覧
神崎浩孝医学博士、薬剤師

1980年、岡山県生まれ。岡山県立岡山一宮高校、岡山大学薬学部、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科卒。米ロサンゼルスの「Cedars-Sinai Medical Center」勤務を経て、2013年に岡山大学病院薬剤部に着任。患者の気持ちに寄り添う医療、根拠に基づく医療の推進に臨床と研究の両面からアプローチしている。

1回5000万円 超高額な遺伝子治療薬の販売が医療業界に一石

公開日: 更新日:

 薬の生い立ちを考えてみましょう。

 原始時代のような大昔にはもちろん今のような薬はなく、自然界にある物=天然物を「こういう症状の時にはこれを食べたらいい」といった知恵として使用していました。いわゆる伝承療法(民間療法)です。

 その後、これらが「生薬」として使われるようになり、さらに後には、成分抽出、分析、合成できるようになって、「合成化合物」が薬の主流になりました。

 1990年代後半には「抗体製剤」という合成化合物ではない新しいタイプの薬が最先端のバイオテクノロジー技術によって生み出され、がん、リウマチ、骨粗しょう症などさまざまな疾患の治療薬として使用されるようになりました。有効性と安全性が高く素晴らしい薬である一方、大量生産が難しいという点から価格が高く、高額薬剤について議論されるようになったのもこの頃からです。ノーベル医学・生理学賞に選ばれたことで有名になった皮膚がんや肺がんに用いられる「オプジーボ」(ニボルマブ)も、抗体製剤で高額薬剤の一種です。また2017年には、「核酸医薬品」という全く新しいタイプの薬である「スピンラザ」(ヌシネルセン)という脊髄性筋萎縮症に使う薬が発売され、1本932万円の超高額薬剤として話題となりました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった