著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

朝食でパンを食べるとかつて乳がんと闘った患者を思い出す

公開日: 更新日:

 私はこのトーストを毎朝食べますが、少し焦げができます。近所のレストランに勤務しているAさん(50歳・女性)は、幼い頃におばあさんから「おこげはがんになるから食べない方がいい」と言われたそうです。3年前から今のレストランに勤務していますが、そこのメニューに「おこげ」があり、とてもおいしいのですが、このことが気になっているといいます。「おこげ」や魚や肉の焼け焦げには確かに発がん物質が含まれるようですが、その量は非常に少ないのです。ですから、日常食べている程度ではまったく気にしなくてもいいそうです。

 牛・豚・羊などの赤肉や加工肉は大腸がんのリスクを上げ、食物繊維を含む食品が大腸がんのリスクを下げる――そのため野菜と果物を多く取ることが推奨されています。また、塩蔵食品は「胃がんのリスクを上げる可能性が大きい」と報告されています。

 最近は免疫力を高めてがんを治すとうたった食事やサプリメントが宣伝されていますが、私は勧めません。食事はバランスよく食べるのが重要です。糖質、タンパク質、ビタミン、ミネラルが不足しないことが大切ですし、過剰な塩分摂取、多量のお酒、野菜・果物不足はがんのリスクを高めます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」