著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

豊富な医学的知識を有することは認知症の予防につながる?

公開日: 更新日:

 高齢化に伴い、認知症を有する人は世界的にも増加しています。認知症はさまざまな原因が複雑に影響して発症すると考えられていますが、その危険因子として、「年齢」「肥満」「高血圧」「糖尿病」「喫煙」「教育水準の低さ」「運動不足」「社会的に孤立した状態」などを挙げることができます。

 認知症の発症に関わる原因を少しでも避けるために医学的な専門知識は役立つように思われますが、こうした知識を豊富に持つ医師は認知症のリスクが低いのでしょうか。老年医学に関する国際誌の電子版に、医療職と認知症の有病割合を検討した研究論文が2019年8月19日付で掲載されました。

 この研究では、台湾に在住している医師2万9388人(平均45・2歳)、医師以外の医療職3万446人(37・4歳)、一般の人5万人(平均48・7歳)が解析の対象となり、認知症の有病割合が比較されました。なお、結果に影響を与えうる年齢、性別、頭部外傷の有無、糖尿病の有無、脳卒中の経験などの因子について、統計的に補正して解析されています。

 06年から12年までの病歴を追跡した結果、認知症の有病は一般の人に比べて、医師で44%、医師以外の医療職で54%、統計学的にも有意に低いことが示されました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    JリーグMVP武藤嘉紀が浦和へ電撃移籍か…神戸退団を後押しする“2つの不満”と大きな野望

  2. 2

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  3. 3

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 4

    田中将大ほぼ“セルフ戦力外”で独立リーグが虎視眈々!素行不良選手を受け入れる懐、NPB復帰の環境も万全

  5. 5

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  1. 6

    FW大迫勇也を代表招集しないのか? 神戸J連覇に貢献も森保監督との間に漂う“微妙な空気”

  2. 7

    結局「光る君へ」の“勝利”で終わった? 新たな大河ファンを獲得した吉高由里子の評価はうなぎ上り

  3. 8

    飯島愛さん謎の孤独死から15年…関係者が明かした体調不良と、“暗躍した男性”の存在

  4. 9

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  5. 10

    中日FA福谷浩司に“滑り止め特需”!ヤクルトはソフトB石川にフラれ即乗り換え、巨人とロッテも続くか