著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

クルマの運転やめた高齢者は要介護認定のリスクが高まる?

公開日: 更新日:

 高齢運転者による自動車事故に関心が集まる中で、運転免許証の返納を促す機運が高まりつつあります。他方で、自動車運転をやめることによって生じ得る健康問題については、ほとんど知られていませんでした。

 65歳以上の日本人を対象に、運転をやめた高齢者の健康状態を検討した研究論文が、2019年6月22日付で日本疫学会誌に掲載されています。

 この研究では、現在も自動車運転をしている高齢者2704人(平均70・3歳)と、運転をやめた高齢者140人(平均73・6歳、このうち77人は公共交通機関や自転車も利用していなかった)を比較して、介護保険法における要介護認定を受けるリスクが検討されています。なお、結果に影響を与え得る、年齢、性別、教育水準、外出の頻度などの因子で、統計的に補正して解析されました。

 その結果、要介護認定を受けたのは、年間1000人当たり、現在も運転している高齢運転者で38人、公共交通機関もしくは自転車を使用している元運転者で82人、公共交通機関も自転車も利用していない元運転者で119人でした。要介護認定を受けるリスクは、高齢運転者と比較して、公共交通機関もしくは自転車を利用している元運転者で1・7倍、公共交通機関も自転車も利用していない元運転者では2・2倍、統計学的にも有意に増加するという結果です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  5. 5

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 8

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    沢口靖子も菅田将暉も大コケ不可避?フジテレビ秋ドラマ総崩れで局内戦々恐々…シニア狙いが外れた根深い事情