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熊本悦明医師

1929年、東京都生まれ。東京大学医学部卒。日本メンズヘルス医学会名誉理事長、札幌医科大学名誉教授。現在は「オルソクリニック銀座」(東京・中央区)で、名誉院長として診療中。近著「『男性医学の父』が教える 最強の体調管理 テストステロンがすべてを解決する!」(ダイヤモンド社)がある。

男性更年期障害「朝立ち」はムスコからの大切なメッセージ

公開日: 更新日:

 朝のエレクトに気づくのが2週間に1~2回だったり、近頃性欲や勃起力が減退している人は、テストステロンが減っていると思った方がいいだろう。

「まさに朝のエレクトは、孝行ムスコからの大切なメッセージ。頻繁にあれば大丈夫だよと励ましになるし、しばらくご無沙汰なら、このままじゃいけないよ、気を付けた方がいいよという警告になります。私の患者さんで、テストステロン補充療法で何十年ぶりに朝立ちが復活した人は、目を輝かせて『先生、僕は生き物としての自信を取り戻しました』と語っていました。メンタルにとっても実は重要な問題になり得るのです」

 ただし、一つ疑問に浮かぶのは、「バイアグラ(ED治療薬)も飲んで、テストステロンも注射したら、男性ホルモンが出すぎなのでは」というもの。

「質問の答えですが、結論から言えば、治療薬とテストステロン補充は、むしろ一緒に使ってください。逆に一緒に使わないと効果が出づらいものです。まず、性的刺激によってNO(一酸化窒素)が分泌されます。NOは、血管を拡張し、血流を増やす物質を出し、これにより勃起に至ります。ただ、PDE5という酵素がNOを攻撃し血流を悪くします。この攻撃を防ぐために、PDE5阻害剤のバイアグラなどの薬を飲むのです。しかし、そもそも動脈硬化などによって血管中に分泌されるはずのNOが少ないと血流も足らず、バイアグラも効きません。ですから、テストステロン補充を先にしてから、バイアグラなどの治療薬を使用することが必要なのです。勃起が不十分な場合は、併用をして、NOを増加させましょう」

 50代で朝立ちは必要ないと放置せずに、目が覚めた時の状態を気に掛けたいものだ。

(構成=中森勇人)

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