著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

解毒作用が影響?キャベツは風邪薬の効果を台無しにするのか

公開日: 更新日:

「キャベツと一緒に風邪薬を飲むとその効果がなくなる」という情報を、週刊誌やネットの記事で目にすることがあります。これは本当でしょうか? 

 キャベツや芽キャベツには、グルクロン酸という成分が多く含まれています。この成分は人間の肝臓の中にも多くあるもので、肝臓の解毒作用に大きな役割を果たしています。

 薬は体にとって異物ですから、その役割を終えたら、体から外に出さないといけません。その時に大切な役目を果たしているのがグルクロン酸です。

 肝臓に入った薬などの異物は、そこでグルクロン酸に包まれ、胆汁と一緒に排せつされるのです。これを「グルクロン酸抱合」と呼んでいます。

 解熱剤や痛み止めとして広く使用され、風邪薬にも必ず入っている成分であるアセトアミノフェンは、こうして排せつされる代表的な薬のひとつです。

 そのために、キャベツをたくさん食べると、アセトアミノフェンがグルクロン酸抱合されて、通常より早く排せつされてしまう可能性があるのです。

「1日250グラムのキャベツと芽キャベツを10日間食べてからアセトアミノフェンを飲むと、その効果が最大で2割程度低下した」という報告が発表されています。これはキャベツでいえば4分の1玉くらいになります。キャベツは多くても1日4分の1玉を超えないくらい食べるのが安全のようです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    世良公則氏やラサール石井氏らが“古希目前”で参院選出馬のナゼ…カネと名誉よりも大きな「ある理由」

  2. 2

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  3. 3

    浜田省吾が吉田拓郎のバックバンド時代にやらかしたシンバル転倒事件

  4. 4

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  5. 5

    「いま本当にすごい子役」2位 小林麻央×市川団十郎白猿の愛娘・堀越麗禾“本格女優”のポテンシャル

  1. 6

    幼稚舎ではなく中等部から慶応に入った芦田愛菜の賢すぎる選択…「マルモ」で多忙だった小学生時代

  2. 7

    「徹子の部屋」「オールナイトニッポン」に出演…三笠宮家の彬子女王が皇室史を変えたワケ

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    新横綱・大の里の筆頭対抗馬は“あの力士”…過去戦績は6勝2敗、幕内の土俵で唯一勝ち越し

  5. 10

    フジテレビ系「不思議体験ファイル」で7月5日大災難説“あおり過ぎ”で視聴者から苦情殺到