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名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

観察研究ではダメ…実験としての「介入研究」の必要性

公開日: 更新日:

 なぜ、薬の効果を調べるために「実験」が必要なのでしょうか。ただ観察するだけの「観察研究」ではだめなのでしょうか。

 以前に、冷えとインフルエンザの関係で、冷えを報告した患者に乳幼児が多く、高齢者に少ないという状況では、冷えとインフルエンザに関係がなくても、乳児のインフルエンザになる確率が高いと、冷えがあるとインフルエンザにかかりやすいという結果に見かけ上なってしまうことを説明しました。乳児であることが交絡(編集部注=データ解析における「因果関係」の判断を惑わせる要因)因子になっているということです。

 観察研究では、この交絡因子を完全に除くことはできません。先の例のように年齢が交絡するとわかっていれば、同年齢のグループで比べるという方法で解決できますが、交絡因子は全部がわかっているわけではありません。未知の交絡因子がたくさんあります。

 その未知の交絡因子を調べることなく、一気に揃えてしまう方法があります。それがランダム化といって、薬を飲むか飲まないかを乱数表などを使って、でたらめに何の規則性もなく決める方法です。このランダム化によって薬の飲むグループと飲まないグループが同質な集団となり、薬を使った結果、2つのグループの治り方に差が出れば、薬の有無以外は同じですから、それは薬の効果だといえるわけです。

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