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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

4月は必要量の8割に 輸血不足をカバーする2つの選択肢

公開日: 更新日:

■本格的な設備があれば自分の血をためる

 では、どうするか。自己血輸血です。この方法は文字通り、手術を受ける前に計画的に自分の血を採血してためておき、輸血します。一般的には手術内容と手術予定日から逆算して、造血剤を服用してもらいながら週に1回200~400㏄を採血。その繰り返しで、大掛かりな手術には2000㏄を用意します。

 院内に輸血部を構え、冷凍保存や遠心分離などの専門設備があれば、年単位で保存が可能です。しかし、そんな設備がなければ、冷蔵保存のため1カ月で有効期限が切れてしまいます。

 本格的な設備がある施設での手術なら、自己血輸血で手術に備えるのはいいでしょうが、患者さんの健康状態によって準備できないこともあるのです。たとえば貧血の方は、そもそも必要十分な採血が困難でしょうし、ほかにも腎機能が悪い、消化管出血があるといったケースは難しい。

 そうすると、もうひとつの選択肢は、放射線になります。肺がん、食道がん、前立腺がん、子宮頚がんなど多くのがんで、手術と放射線の治療効果は同等です。手術の延期や輸血用血液不足が問題視されるだけに、放射線治療はもっと検討されていいでしょう。

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