名古屋の老人ホームがコロナ感染拡大を食い止められた理由

公開日: 更新日:

 厚労省は、施設に陽性者が1人出た場合、職員、利用者を一斉検査するように自治体に求めているが――。

「今回特に感じたのは、利用者さまの検査をすぐにしたいと思っても、病院に行ける人ばかりではありません。寝たきりでご自身では動けない方もたくさんいる施設では、保健所に来てもらい検査をしてもらう必要があります。ただ、保健所もすぐには動けない状態で、検査が遅れる場合があるのです」

 中島氏の「メグラス」には在宅クリニックがあり、すぐに検査を行えた。一方で、そうでない施設もたくさんある。

 また、職員が陽性で運営することができなくなったら、利用者に対してどのような対処をすればいいのかという問題もある。

■決定から実行までスピーディーに対応

「一斉検査をゴールとするのではなく、その後どう対応していくかを自治体が考え、それに対して施設側の対策を考えていくべき」

 コロナ禍での高齢者福祉施設では、家族との面会がままならないことによる利用者の認知機能の低下や、ADL(歩行などの日常生活動作)の低下なども指摘されている。対策として、面会に関してはオンライン面会などで対応できるようにし、ADL低下予防に関しては看護師、リハビリスタッフ、介護士が協力して、利用者に廊下を歩いてもらったり、居室内で手足を動かしてもらったりしている。

「迷っていると後手に回るため、決定から実行まで、とにかくスピードを持って対応しています」と中島氏。職場、そして家庭で、コロナ感染拡大を抑止する参考にしたい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった