著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

口から食べられなくなった時の点滴は苦しみを増幅させる

公開日: 更新日:

 口から食べたり水分を取ったりすることが困難になると、点滴をするのが当たり前だと、皆さん思っているのではないでしょうか。

 実際、息を引き取るギリギリまで点滴を行う病院も珍しくはありません。

 一方、在宅医療の場合、患者さんが口から食べられなくなった時には、ご家族に余命について説明し、点滴を続けていたずらに死を先送りせず、点滴を止め、自然にみとっていくことを提案しています。

 一般的に点滴による栄養補給は、治療の見込みのある患者さんであれば、効果を発揮し体を元気にさせる可能性があるのですが、旅立ちを目前とした患者さんでは、点滴による栄養や水分を体が処理できず、むくみや痰の原因になり、結果として患者さんの苦しみにつながりかねません。穏やかな最期を迎えるためには、むしろ点滴がない方がいいのです。

 在宅医療の現場では、患者さんにとって負担となる終末期にならないためにも、ご家族に事前に説明し納得してもらった上で、亡くなる前の点滴はなるべく避けるようにしています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」