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シェリー めぐみジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家

NY在住33年。のべ2,000人以上のアメリカの若者を取材。 彼らとの対話から得たフレッシュな情報と、長年のアメリカ生活で培った深いインサイトをもとに、変貌する米国社会を伝える。 専門分野はダイバーシティ&人種問題、米国政治、若者文化。 ラジオのレギュラー番組やテレビ出演、紙・ネット媒体への寄稿多数。 アメリカのダイバーシティ事情の講演を通じ、日本における課題についても発信している。 オフィシャルサイト:https://genz-nyc.com

「チャイナウイルス」でアジア系へのヘイトクライムが激増

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以来、全米ではアジア系アメリカ人へのヘイトクライムが激増しています。トランプ大統領の差別的なレトリック「チャイナウイルス」という言葉が最大の原因と指摘され、これを正すための努力が始まっています。

 アジア系へのヘイトクライムを防ぐために活動する非営利団体によれば、パンデミック以降、アジア系に対するヘイトクライムは報告されただけで2800件。ニューヨークでは犯罪として認められたものだけで2020年前半に20件起こり、わずか1件だった前年と比べると大きな増加となっています。

 この傾向は今年に入っても続き、ニューヨークでは2月下旬にアジア系が襲われてケガを負う事件が4件連続で発生、ニューヨーク市警は専門の警官を動員するなどで対応するとしています。

 この増加の最大の原因は、当時のトランプ大統領が公式の会見で新型コロナウイルスを「チャイナウイルス」と呼び続けたことにあると、専門家の研究でも明らかにされています。 

 一部の人たちがコロナへの怒りや憤りを中国人にぶつけようと、外見では見分けがつかないアジア系を襲っているわけですが、ヘイトクライムかどうかを認定するのは非常に難しく、地下鉄の中での嫌がらせや差別用語を含めると、相当な件数が起こっていると考えられます。筆者もパンデミックが始まった頃、ある店に入ろうとしたら閉店だと嘘をつかれ、断られる経験をしました。

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